皆さん、写真を撮りますか?
ご飯の写真、景色の写真、家族の写真、旅行の写真、好きな人の写真、記録の写真などなど色々ありますが、多かれ少なかれスマホを持っていると撮ると思います。
そんな時にこう思ったことはないですか?
「もっと良い写真撮りたいなぁ」
「もっと格好良く撮りたいなぁ」
「背景ぼかしたいなぁ」
と。
今日は僕の独断と偏見と僅かな経験を元に、「スマホカメラを卒業してカメラに一歩踏み出すとき」の参考になるかも知れないことを書いていこうと思います。
目次
コンデジかミラーレス一眼レフカメラか
まずカメラを買おうと考えたときに最初にぶち当たるのが「どのタイプのカメラを買うか」という事だと思います。
ここでは「コンデジ」と「ミラーレス一眼レフカメラ」のどちらにするかに焦点を当てます。
※現在、初心者の入門機としてあまりメジャーではなくなってきているフィルムカメラとミラーレスじゃない一眼レフカメラは除外します。
まず下のような方にはコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)がお勧めです。
・そんなに写真を撮る機会が多くない方(よくて月1回ほど)。
・日々の生活の簡単な記録が目的の方。
・スマホで撮った写真より良い写真が欲しいけど、写真家のような写真まではいらない方。
・写真を撮る際に軽さが重要だと思う方。
・予算が10万円くらいまでの方。
カメラを買うときにはやっぱりミラーレス一眼レフカメラが目につきますが、お金をかけても辞めてしまう可能性があったり、
なにより重さや取り回しの不便さから逆に写真を撮らなくなったら元も子もありません。
そして例えば予算が10万円の人で上記の条件が当てはまる人だったら10万円のミラーレス一眼レフカメラよりも10万円のコンデジを買った方が良いと思います。
どことなくミラーレス一眼レフカメラよりもコンデジの方が下位ランクな印象がありますが、そんなことは全くありません。コンデジもピンキリです。
参考になるかはわかりませんが、カメラで有名なYouTuberでも旅行用にはコンデジを持ち歩くと公言している方もいます。
なのでこのような「スマホの延長線上」のような使い方を考えている方にはコンデジをお勧めします。
逆にミラーレス一眼レフカメラをお勧めする人はこのような方です。
・写真を趣味にしていこうと考えている方。
・山や海などのパノラマ景色、夜景、星空、野生の鳥や動物、動いている電車などを撮影したいと考えている方。
・良い写真のためなら多少重いのも我慢できる方。
・将来写真を見返したときに写真の画質にガッカリしたくない方。
・10万円以上予算をかけられる方。
ミラーレス一眼レフカメラはレンズ交換が可能であったり(コンデジは不可)、積んでいるセンサーの性能の良さからコンデジよりも幅広い状況での撮影ができます。
しかしコンデジよりも重く大きいミラーレス一眼レフカメラの場合、気軽に手を出すと逆に持ち歩かなくなる可能性が出てきたり、収納面で煩わしさを覚えたりします。
高額を払って買っても、そうなってしまえば宝の持ち腐れ。
ネットで調べればそんな失敗をしている人が山ほど出てきます。
私も旅行の際などで「カメラがなければ鞄が一つで済むのに・・・」ということはまぁまぁあります。
カメラ本体とレンズ、そして替えのレンズを持っていこうとすればそれだけで小さい鞄ならいっぱいになります。
旅行する際にはカメラを優先するか、着替えや化粧品などを優先するか、はたまた頑張って両方持つか、といった考えをしなければなりません。
ですから個人的にはミラーレス一眼レフカメラを選ぶ条件として「重さと大きさが苦じゃないか」の項目はかなり重要な項目だと思います。
値段に関してもコンデジよりも値段の幅があり、上を見たらきりが無いのがミラーレス一眼レフカメラです。
「10万円以上予算をかけられる方」と書いたのは、10万円じゃ終わらないからです。
ミラーレス一眼カメラが欲しいと言う人は多少なり「趣味としてのカメラ/写真」をしようと考えている人が多いと思います。そういう人はその拡張性から他のレンズが欲しくなったり、買ったカメラの描写力にいずれ不満を覚えるようになるのが常です。
そういうときに「本体やレンズ買い替え/買い増し」があるのでこのように書きました。
正直、何を買うかの判断基準で、この「買い替え/買い増し」をしないならコンデジでも良いかなと思います。
ミラーレス一眼レフカメラはある程度本腰を入れて写真に向き合いたい人向きと言えるでしょう。
APS-C(エーピーエスシー)かフルサイズか
ではここからはミラーレス一眼レフカメラを買う際に何を買うかを更に絞っていきましょう。
カメラを買う際に注目する項目に「画素数」を筆頭に考える人は少なくないと思います。
「1500万画素と2000万画素だと2000万画素の方が綺麗なんでしょ?」と。
これは間違いではありませんが、正解でもありません。
まず最初に言っておくと2021年現在、この画素数が低すぎて話にならないカメラというのはほとんど見かけません。日常使いするなら1500万画素から2500万画素あれば充分です。
ほんとに。
僕が普段使いしているα7Ⅲも2400万画素です。
話がそれましたが、そういった画素数云々よりも僕が大事だと考えていることがあります。
それはカメラに搭載されている「センサー」です。車で言えばエンジンみたいなものです。
このセンサーには「APS-Cセンサー」と呼ばれる物と、「フルサイズセンサー」と呼ばれる物の2種類があります。
細かい説明は省きますが、簡単にいうと入門機から中位クラスのカメラにはAPS-Cセンサーが搭載されており、上位機にはフルサイズセンサーが搭載されています。
ざっくりまとめた違いは以下の通り。
このように、描写力ではやはりフルサイズセンサーが勝っているので、例えば「1500万画素×フルサイズセンサー」と「2000万画素×APS-Cセンサー」だと1500万画素ペアのほうが高精細な写真を撮れる場合もあります。
ですから画素数だけではなく、搭載されているセンサーも重要だというわけです。
ここまでの話をわかりやすくまとめてみるとこんな感じです。
APS-Cセンサーは機動性を重視し、被写体をドンッと存在感があるように撮りたい人におすすめ。
フルサイズセンサーは細部までの表現力があるので、雄大な景色や細かい表情まで撮りたい人におすすめです。
操作性とシャッター音
意外と見落としがちなのがこの操作性とシャッター音です。
スペックやそのカメラで撮った作品などをチェックする人は多いと思いますが、ボタン配置や設定の操作性まで見ている人は少ないように思います。
・設定ボタンや写真削除ボタンはどこにあるのか。
・ISOやF値を調整するダイヤルはどこにあるのか。
・液晶画面は固定なのか、動くのか。動く場合はどのように動くのか。
・設定画面は初見でもわかりやすいか。
・シャッター音は聞いていて気持ち良い音か
などなど。
これは家電量販店などに行って実際に触ってみるのが一番です。
例えば上の項目の中で僕が特に気にするのは液晶画面です。液晶画面が斜め上、斜め下に向けることができれば、視点を下げて見上げるような写真や、カメラを持ち上げて上から見下ろすような写真が撮りやすくなります。
他にもシャッター音はメーカーによって様々です。これから長く聞く音になるので、気持ちいい音のものを選ぶというのも大事なポイントだと思います。
このようにネットやカタログを見ているだけではわからないポイントもあるので、できればある程度目星がついた時点で、実機を触ってみることをおすすめします。
しっくり来るものを選びましょう。
どのメーカーのカメラを買うか
多分、カメラを買おうと思っている人のほとんどが気になっていると思われるこの問題。
様々あるメーカーの特徴は何なのか、2021年8月現在各メーカーの状況はどうなっているのかなどを交えながら簡単に解説していこうと思います。
現在、ミラーレス一眼レフカメラを開発販売している企業は数多くあります。
全ての会社を取り上げるのは大変なので、特に個人的に注目度が高いCanon、Nikon、SONY、FUJIFILMを取り上げます。
カメラと聞いてまず最初に思い浮かべるのがCanonでしょう。
カメラメーカー最大手にして、高い技術力と豊富なラインナップで熱い支持を受けています。
このことから「とりあえずCanon」という考え方でも間違いないでしょう。
そしてCanonの強みはその色鮮やかさです。特によく言われているのは「人の肌の色味」や「風景写真における色彩」の豊かさです。
また入門機としてのEOS Kissは初心者でも取り扱いやすく、多くの人がこのモデルで写真の楽しさを覚えています。
Canonと双璧をなすカメラメーカー大手のNikon。
Nikonの特徴はCanonとは逆で、落ち着いた自然な発色です。見たまんまの映像をそのまま写真におさめたい人に好かれている印象があります。
また、初心者向けにも門戸が広く開かれているCanonですが、Nikonはどちらかと言うと中上級者向けのモデルに力を入れているので、そういった人向けでもあります。
しかしその一方で、フルサイズのミラーレス一眼レフカメラの開発において一歩出遅れたことによる業績悪化で、国内の製造工場を閉めるなどちょっと不安なニュースが最近多いのも事実です。
ラインナップや確かな技術力は間違いないですが、今後の将来性という意味では他の企業よりは現状少し見劣りするかもしれません。
デジタルカメラ業界において絶対的王者だったCanonとNikonと並ぶか追い抜くほどの急成長をここ数年でしているSONY。
SONYの特徴は技術や性能の高さです。
ピントを自動で合わせるオートフォーカス機能を始め連射や描写力など様々な技術がここ数年、驚くべき速さで進化しており、注目度や人気度では圧倒的な支持を得ています。
これまでオリンピックの撮影で使われるカメラはCanonかNikonが一般的でしたが、今回の東京オリンピックの記者団が持っているカメラのほとんどがSONY製だったことも話題になりました。
カメラ本体やレンズのラインナップではCanon、Nikonに数で劣るかもしれませんが、最近のSONY人気から様々な企業がSONY製カメラ向けのレンズ開発を行っているので、この問題もいずれ解消されるでしょう。
カメラ業界で今最も勢いがあり注目されている企業がSONYです。
そして最後はFUJIFILM。
ここはこれまで紹介した3社とは毛色が違います。
まずフィルム時代から長きに渡りカメラ業界に携わっているFUJIFILMの特徴は、やはりその「フィルム感」です。
フィルム時代に培った色味や表現技術を用いたデジタル一眼レフカメラを主戦力としているので、他メーカーにはない色味を出すことができます。
ですから、普通に撮るというよりは、よりフォトジェニックに、より作品性が高い写真を撮ることができます。
また老舗ならではの無骨で硬派なデザインのカメラが多いことも人気の一つです。
この他にも女性に人気のOLYMPUSや動画にも強いPanasonic、尖ったスペックが特徴のPENTAXなどがあります。
そしてメーカーを選ぶ際に一つ注意しなければならないことがあります。
それは「できれば将来を見据えてブランドを1つに絞る」ということです。
これからカメラを始めようという段階ではあまり関係ない話かもしれませんが、ステップアップしていくと「レンズを買い換える」というイベントが発生します。
その際、「Canon用レンズ」「SONY用レンズ」のように「〇〇専用レンズ」が存在し、その機能をフル活用するにはそのメーカーの本体でなければならないという事があります。
同じメーカーのレンズであれば、本体が違っても使い回せるんですが、様々なメーカーに手を出していると、色々と出費がかさむという問題も起きてくるので、僕のおすすめはメーカーを絞るほうが良いんじゃないかと思います。
そして本題の「どのメーカーにするか」は値段や用途によって選ぶべきです。
・王道でとりあえず間違いないのはCanon
・ありのままの写実性と今後のステップアップを考えているならNikon
・フルサイズミラーレスカメラを視野に入れていて、様々なシーンで撮りたい人はSONY
・芸術性を高め、作品性が強い写真を撮りたいならFUJIFILM
自分の予算と用途に合わせて選びましょう。
新品か中古か
ここからは実際に買う際にどうやって買うかを述べていきます。
まず新品か中古か問題です。これも予算に合わせて好きな方でいいと思いますが、一つだけ注意があります。
それは中古を買う場合、「何年前に発売されたモデルを買おうとしているか」ということです。
カメラの世界は進化がとても早く、日進月歩で技術が刷新されていっています。
なので「新しい物=良い物」と言っても過言ではありません。
新しいカメラほど小型・軽量化され、性能も上がっています。
逆に古い世代の場合、そんなに大したことない性能なのに重く大きいといったこともあります。
ですから「最新のものでなくても良い」「コスパを重視したい」という考えで中古を買う場合は、せめて過去4,5年以内あたりのモデルを買うようにしましょう。このあたりまでが現行モデルと比較しても性能のバランスが取れていると思います。
一番オススメなのは現行モデルの1世代か2世代前を買うことです。
型落ちで中古市場にも出回っていることが多いので、見つけやすいでしょう。
どこで買うのか
家電量販店にしろ、アマゾンのようなオンラインショップにしろ購入する場所は重要です。
これを決める際に私が考える点は4つ。
・信頼ができる店か。
・保証がちゃんとあるか。
・その店のポイントは必要か。
・購入履歴が必要か。
1つ目の信頼ができる店かというのは、当たり前の話ですが、「詐欺ではないか」とか「ちゃんとした品を買えるか」ということです。特にオンラインショップでは聞いたこともない店が格安で売っていたりしますが、高いお金を払って粗悪品を掴まされるということもあります。まずそこが大丈夫かです。
2つ目の保証がちゃんとあるかは、「できるだけ安く買いたいから価格.comの最安値の店で買う」という人もいると思いますが、あまりおすすめはしません。
なぜなら家電量販店で提示されている値段より大幅に安い値段を提示しているオンラインショップではこの保証がない場合がほとんどです。カメラは持ち歩くことが多く故障する機会が多いものです。他の電気製品に比べ保証のお世話になることも多く、この保証がなくて結局かなりの修理費を払うということも珍しくありません。この点で見れば保証が確実にある所での購入が良いでしょう。
3つ目はその店舗でのポイントが欲しいかということです。
家電量販店とオンラインショップの値段の違いは、「ポイント分の差」ということが多いです。
例えば家電量販店では22000円で販売されているものが、オンラインショップでは20000円で販売されている場合、差額の2000円は家電量販店で使えるポイントが貰えるからというものです。ポイントは要らないから2000円安いオンラインショップで買うか、普段からポイント利用もしている家電量販店で買うかは各々の状況によって変わってきます。カメラは高額な買い物になりがちなのでポイントについてもしっかり考えたほうがお得です。
ちなみに家電量販店で「ポイントは要らないからその分まけてくれ」というのはオススメしません。
4つ目の購入履歴は最近気にする人が増えてきていることです。最近は転売ヤー対策で、人気商品の購入は抽選になりその際に「購入履歴」が重要になってきているので、購入履歴をしっかり残して置きたいという人はそれが残る所で購入しましょう。
このようにヨドバシカメラやビックカメラのような有名家電量販店が間違いないのは言うまでもないことですが、オンラインショップでもマップカメラやカメラのキタムラなど確かな信頼性を持っている店舗もあります。
できるだけちゃんとした所で買ってカメラライフを楽しみましょう!